手湿疹のかゆみでも特徴的な水疱ができるタイプがあります。
水ぶくれになっていると、普段の生活にも支障が出ますので、その原因や対処方法をご紹介しますね。

水疱ができる手湿疹はどうしてできるの？

手湿疹のうち水疱ができるタイプのほとんどが「異汗性湿疹」だと言われています。
名前の通り原因の1つに汗があり、手の平や指の腹、そして足の裏に水疱ができるのが特徴です。汗がかかわっていると考えられていますが、その原因がまだはっきりしていません。
水疱ができてから強いかゆみが起こるので、ほとんどの人がかきむしりで水疱を潰してしまいます。そのあとはジュクジュクした状態になり、最終的にはかさついた肌が続くケースが目立ちます。
かきむしることで重症化する場合もあるので、水疱を潰さない工夫が必要になるでしょう。

異汗性湿疹でかきむしらないためには？

赤ちゃんがアトピーでかきむしるのを予防するため、寝るときに手袋をすることがあると思います。
大人はかきむしらないようにできますが、寝ているときには無意識に掻いてしまうことがあるので、お休み用手袋を使ってはいかがでしょうか？
手湿疹が寝具と擦れてかゆみが出ることも予防できますし、反対側の手でかきむしることも防げます。
手の平にかく汗が原因になっているケースが目立つので、できるだけ吸湿速乾の素材を使用している手袋を選んで下さい。

異汗性湿疹の汗は、精神的なものが原因？

異汗性湿疹では手の平や足の裏にかく汗が原因といわれていますが、そもそもこの場所に汗をかくのは精神的な負担があるからだと考えられています。
「緊張したときに手の平に汗をかきやすい」と感じる人は多いですが、その汗の程度も人それぞれです。異常なほど手がベタベタになる人は要注意です。
そして汗をかきやすくて汗腺とよばれる汗の出る穴が詰まりやすい人が、異汗性湿疹になりやすい人でしょう。汗が出てしまえば問題ないのですが、汗腺で汗がたまって水疱になるのが問題です。
その水疱が大きくなり強いかゆみを伴って悪化するという仕組みですね。
皮膚科に通う前にストレスのコントロールに挑戦することで、症状の緩和ができるケースもありますよ。
夏の初め頃に症状が出る人が多いので、その場合は異汗性湿疹という手湿疹でかゆみが出ていると判断して良いでしょう。

異汗性湿疹と間違えやすいほかの手湿疹も

異汗性湿疹は一般的な手湿疹だといえますが、症状は似ているのに質の違う手湿疹もあります。
「掌蹠膿疱症（しょうせきのうほうしょう）」という病名を聞いたことがあるでしょうか。以前テレビで芸能人の女性がこの病気になってとても大変だったと放送されていました。
主な原因は金属アレルギーのように細菌の感染がかかわっていると言われますが、はっきりした原因は不明です。テレビで放送していた芸能人のケースでは、ビタミンB群のビオチンが不足したことも原因とされていました。
この掌蹠膿疱症は、手の平にできますが特に手首近くに水疱が集中しますので、ここが見分けるポイントになるでしょう。繰り返すのも特徴で、足の土踏まずにも水疱ができたり、胸の関節痛を起こすなどの症状もあります。

手湿疹のかゆみがストレスで悪化する

異汗性湿疹ではストレスも原因になりますが、手湿疹がでてかゆみが強いと、それ自体がストレスだと感じる人も多いです。そうすると悪循環に陥りますね。
ご自分でストレスには弱いと思っているなら、手湿疹のかゆみが気になる段階で皮膚科の診察を受けたほうが良いでしょう。
ストレスに始まり、症状でストレスになることを続けていては、手湿疹を治すのが難しくなるからです。
皮膚科に行くと、少し強めのステロイド剤などが処方されると思います。かゆみにあわせた対処をしてくれますので、ストレスが悪化しないうちに対処して下さい。

おわりに

手湿疹の中でもかゆみが目立つ異汗性湿疹をご紹介しました。
原因ははっきりしませんが、ご自分の気持ちのケアで緩和されるケースもあります。悪化させないための方法も併せて挑戦してみて下さい。